朝晩、涼しくなってきましたね。
個人的には夏が好きなのでもうちょっと暖かいままでいてほしかったのですが、とはいえ、秋は食事がおいしくなるし、絶好の行楽シーズンです。
ハイキングして、温泉入って、おいしくお酒を飲んで、、、
想像すると楽しくなっちゃいますね。

しかし、世の中には素直に喜べない方たちもいます。
そう、乗り物酔いをしてしまう人たちにとっては、不安な気分がなかなか消えないようです。
体質だと諦めてしまっている人もいらっしゃいますが、その一方、子供のころによく乗り物酔いした人が、大人になって車を運転するようになったら、全然へっちゃらになったという方も多くみられます。
ということは、メンタルな問題も無視できないようですね。

乗り物酔い自体は、おもに内耳の前庭や三半規管が刺激を受けておこるものですが、東洋医学的には“脾気虚”といって、消化器の力が落ちているときにおこるものとされています。
プラシーボというか民間伝承というか、「おへそに梅干しを貼ると酔わない」などとも言われています。
私は試したことがありませんが、ちょっと興味深いですね。

予防の運動療法として私のお勧めは、立った状態で息を吐きながら両腕を思いっきり上にあげて万歳します。
そしてその状態で少し力をためておいて、ストンと脱力をする。
それを3回くらい続けると、お腹のみぞおち部分が柔らかくなっているのが分かるはずです。
そしたら大丈夫!

みぞおちの緊張が抜けているということは、肩の力もぬけて少し“なで肩”になっているのです。
それは頭の緊張もぬけていることを表しています。
不安感が消えているはずですよ。
胃の働きも正常化しているのですから、乗り物酔いにありがちな吐き気も起こりにくくなっているのです。
簡単でいいでしょ!

さらにツボ刺激でいうと、内関(ないかん)というツボが効きます。
手のひらと前腕のさかいに、深いしわがありますね。
そのしわからご自分の指3本分上がったところにその内関というツボがあります。
そこを爪楊枝で軽く押してみたり、エレキバンを貼ってみるのもいいですよ。
体質そのものから変えたい方は、日頃からバランス感覚を鍛えるような運動、たとえばスキー、スケート、あるいはブランコに乗るとか鉄棒にぶら下がるなどということをされるといいです。

また先にお話しした“脾気虚”という証を治すためには少し長期的な鍼灸治療を継続的にお受けなさることをお勧めします。
その際は一般的には、消化器のツボだけでなく、肝臓や腎臓のツボをとってその働きを改善させることになります。

また、乗り物酔いをしやすい方は“頸”も硬い方が多いので、その調整も欠かせないでしょう。
鍼灸治療で体質改善を図る場合は、それがどんな問題であれ、全身を調整することになります。
乗り物酔いを改善する目的で鍼灸院に通っていたら、いつのまにか便秘も治っていたとか、血圧も改善していたとか、うれしい副産物もあるものですよ。
いかがでしょうか?