パソコンやスマートフォンを使わない日はほとんどありませんね。

目の疲れから肩こりへ、そんな経験は誰でもあるのではないでしょうか?

眼精疲労が引き起こす肩こりは、単なる「目の使いすぎ」だけではありません。

ドライアイ、ピント調整力の低下、老眼の進行など、複数の要因が絡み合うことで、肩の筋肉だけでなく全身のバランスにも影響を及ぼします。

そのため、施術も人それぞれ。

目・首・肩・姿勢・内臓機能など多角的な視点から組み立てる必要がある、意外と複雑な症状なのです。

👀眼精疲労の背景にあるもの

• 長時間のPC作業:まばたきが減り、目が乾燥。目の筋肉も緊張しやすくなります

• 老眼の始まり:無理なピント調整が続くことで、目の周囲の筋肉が疲弊

• 姿勢の悪化:猫背やストレートネックが目の使い方に影響し 首・肩の緊張を助長

最近では若い世代にもストレートネックが増えており、年齢に関係なく「目→首→肩」の連鎖が起きています。

☕ひとりごと

最近は学生さんでもストレートネックが目立ちます。

娘を持つ親としても、これはとても気になるところです。

若いうちは背骨に柔軟性があるので、運動を取り入れることで改善しやすいですが、放っておくと慢性化することもあります。

パソコン作業が日常なら、歯磨きや入浴と同じように「身体を動かす時間」も習慣にしていきましょう。

また、机と椅子の高さを見直して、前かがみにならない姿勢づくりも大切です。

☘鍼灸的視点:「肝」と目のつながり

東洋医学では、目の働きは「肝」と深く関係しています。

肝は血を蓄え、目に栄養を届ける役割を担っているため、肝の不調は目の疲れやかすみに繋がります。

肝の働きが弱まると、ピント調整がうまくいかず、結果として肩や首の筋肉に余計な力が入り、こりや痛みにつながるのです。

☕ひとりごと

「眼科ではヒアルロン酸の目薬だけで終わってしまった」

「老化だから仕方ないと言われた」

そんな声をよく耳にします。

鍼灸では、目そのものだけでなく、全身のバランスを整えることで、眼精疲労からくる肩こりにもアプローチできますよ。

☘セルフケアのすすめ

• 蒸しタオルなどで目の周囲を温める

• 肩甲骨まわりのストレッチで血流促進

• 肝を養う食材(しじみ・ほうれん草・黒ごまなど)を日常に取り入れる

☘鍼灸で整える:眼精疲労×肩こりに効くツボ

眼精疲労による肩こりは、目の周囲だけでなく、首・肩・背中の筋肉の緊張とも深く関係しています。
鍼灸では、目の機能を支える「肝」の働きを整えながら、局所の血流や筋緊張を改善し、全体的なケアを目指します。

目の疲れに効くツボ

ツボ名所在地主な作用
攅竹(さんちく)眉頭のくぼみ目の疲れ、眉間の緊張、頭痛の緩和
太陽(たいよう)こめかみのやや後ろ眼精疲労、目の充血、頭重感に効果的

肩こり・首こりに効くツボ

ツボ名所在地主な作用
風池(ふうち)後頭部、髪の生え際のくぼみ首のこり、頭痛、眼精疲労に連動した症状に有効
肩井(けんせい)肩の中央、僧帽筋の盛り上がり肩こりの代表ツボ。眼精疲労による肩の緊張にも◎
天柱(てんちゅう)首の後ろ、うなじの両側首のこり、ストレートネック、目の疲れにも対応
手三里(てさんり)肘から手首に向かって約3寸の位置肩・腕の疲れ、首の緊張、免疫力アップにも関与
合谷(ごうこく)手の甲、親指と人差し指の間万能ツボ。肩こり、頭痛、眼精疲労、ストレス緩和にも◎

補助的なツボ(肝の調整)

ツボ名所在地主な作用
太衝(たいしょう)足の甲、親指と人差し指の間肝の調整、目の疲れ、イライラや緊張感の緩和
三陰交(さんいんこう)内くるぶしの上血流改善、ホルモンバランス、肝・腎・脾の調整に関与