クライアントさんの中に、肩こりを訴えないのですが、触ってみるととても硬い人って結構いるものです。
実は恥ずかしながら私もそのタイプで、肩こりは殆ど感じたことがないのですが、美容院でマッサージをされると、「お疲れですね」とよく言われます。
私に限らず、鍼灸師・マッサージ師って多いですよ。
指を使う職業なので、首が固くなって肩のこりに気が付かなくなっている先輩方をたくさん見てきました。(自分はそうはなりたくないと思っていたのに、、、)
自覚のない肩こり、いわば”隠れ肩こり”は鍼灸師的にはとても心配です。
隠れ肩こりには、いくつかのタイプが考えられます。
◇他の部位の痛みや不調に意識が向いているタイプ:
- 頭痛、目の疲れ、腰痛など、肩以外の不調が強く出ている場合、意識がそちらに集中してしまい、肩のコリに気づきにくいことがあります。
◇多忙で自分の体の変化に気づきにくいタイプ:
- 仕事や日々の生活に追われていると、身体の小さな不調を見過ごしがちです。特に家族や仕事上のストレスがあると、そちらに意識が向き、肩のこりを実感できないことがあります。
◇痛みに鈍感なタイプ:
- 痛みの感じ方には個人差があります。もともと痛みやつらさに耐性がある人や、鈍感な人の場合、肩が凝り固まっていても自覚しないことがあります。
◇慢性化して痛みに慣れてしまったタイプ:
- 長期間にわたって肩こりが続いていると、肩が張ったり凝り固まったりした状態が当たり前になり、それを不快と感じられなくなってしまうことがあります。
隠れ肩こりのリスク
自覚がないまま肩こりを放置すると、以下のようなリスクが高まります。
◇症状の悪化と慢性化:
気づかないうちに肩こりが悪化し、筋肉がより硬くなり、血行不良がさらに進んでしまいます。これにより、慢性的な肩こりとして定着してしまい、肩の関節可動域が低下し、さらには身体全体の柔軟性が低下することもあります。
◇関連する身体の不調:
- 頭痛: 肩や首の筋肉の緊張が頭部にも影響し、緊張型頭痛や偏頭痛を引き起こすことがあります。
- 眼精疲労: 血行不良により目の周囲の筋肉や血管に影響が出ることがあり、目の疲れや焦点が合いにくさを感じることがあります。
- 姿勢の悪化: 肩こりを避けるために無意識のうちに不自然な姿勢をとるようになり、猫背やストレートネックが悪化することがあります。
- 睡眠の質の低下: 肩の痛みや緊張感が夜間も続き、深い眠りに入りにくくなったり、疲れがとれにくくなったりすることがあります。
◇日常生活の質の低下:
- 身体的な不調だけでなく、肩こりが進行すると、生活の質の低下やストレスの増加など、精神的な健康にも影響を及ぼす可能性があります。
◇重大な病気のサインを見逃す可能性:
- 肩こりは、単なる筋肉の不調だけでなく、消化器系や循環器系の重篤な病気が隠れているケースもまれにあります。自覚症状がないことで、これらの病気のサインを見逃してしまうリスクがあります。
隠れ肩こりのセルフチェック
自覚がなくても、以下の方法で肩こりの状態をチェックすることができます。
◇首や肩の可動域チェック:
- 首を左右にゆっくり傾けたり、回したりして、動かしにくさや突っ張り感がないか確認する。
- 両肩をすくめるように上げてから、ストンと力を抜いてみる。スムーズに動くか、硬さを感じないか確認する。
◇筋肉の硬さチェック:
- 肩や首の付け根、肩甲骨まわりを指で押してみて、硬い部分や押すと痛みを感じる部分がないか確認する。
◇姿勢チェック:
- 鏡で自分の横姿を見て、猫背になっていないか、首が前に出ていないか確認する。
隠れ肩こりを放置しないためには、日頃からストレッチや適度な運動を心がけ、定期的に自分の身体の状態に意識を向けることが大切です。
隠れ肩こりの方は頑張りやさんが多い印象です。
家族や会社のためばかりではなく、時には自分のためにリラックスする時間を作りましょう。
温泉やハイキングもいいけど、鍼灸も選択肢に入れていただけると生活の質が上がりますよ!