人の気持ちに敏感で、場の空気を自然と感じ取ってしまう。
そんなあなたは、きっととても優しくて、周りを大切にできる方なのだと思います。
ただ、その優しさゆえに、知らず知らずのうちに心や身体に負担をかけてしまってはいないでしょうか。
私の鍼灸院には、いわゆるHSP気質の方が多く来院されます。
少し気持ちが沈んでいる方もいれば、日々を一生懸命に乗り越えながらお仕事をされている方もいらっしゃいます。
特に、よく気が回り、周囲への配慮ができる方ほど、会社や家庭で重宝される存在になります。
けれどその分、ご自身のことは後回しになりやすく、気づいたときには疲れが積み重なり、ある日ガクッと気力が落ちてしまう…そんな状態に陥ることも少なくありません。
東洋医学では、このような状態を「肝血虚(かんけっきょ)」と捉えることがあります。
「肝」は、気や血の流れをスムーズにし、感情のバランスを保つ働きを担っています。
また「血」は、心と身体に栄養と潤いを与え、安心感や安定感を支えるものです。
人の気持ちを感じ取りやすい方は、この「肝」と「血」を多く使います。
つまり、日々の中で知らず知らずのうちに消耗しやすい状態にあるのです。
肝血が不足してくると、
・疲れやすい
・イライラや不安感が出やすい
・眠りが浅くなる
・筋肉がこわばる
といったサインが現れてきます。
ご本人はしっかりセルフメンテナンスをされていることが多いのですが、それでも実際にお身体に触れると、首や肩、背中、そして足元まで、思っている以上に緊張やこわばりが溜まっていることがよくあります。
心が繊細であることは、素敵な感性です。
ただ、その感性を守るためには、定期的に「肝」と「血」をいたわり、身体を緩める時間が必要です。
「まだ大丈夫」と思えているうちに。
「ちょっと疲れてきたかも」と感じたそのタイミングで。
どうか、鍼灸のことを思い出してみてください。
鍼灸は、滞った気の巡りを整え、消耗した血を補うサポートをしながら、過敏になりがちな神経のバランスをやさしく整えていきます。
言葉にできない疲れや、気づかないうちに溜まった緊張にも、そっとアプローチすることができます。
疲れ切ってしまう前に、少し立ち止まること。
それは「頑張ること」と同じくらい、大切な選択です。
あなたがあなたらしく、穏やかに日々を過ごせるように。
そのお手伝いができたら、とても嬉しく思います。