最近、男性の更年期が話題になることが増えましたね。これは女性と同じように、ホルモンのバランスが崩れることで起きる、心と体の不調です。西洋医学ではテストステロンの低下が主な原因と考えられていますが、東洋医学ではこの状態を、少し違った角度から見ていきます。

「腎」は体のエネルギー源

東洋医学には「腎(じん)」という考え方があります。これは西洋医学でいう腎臓だけではなく、私たちの体を動かす大切なエネルギーの源、いわばバッテリーのようなものです。成長、生殖、そして年を重ねること、これら人生のサイクル全体を司っているのがこの「腎」なのです。

この腎には「腎精(じんせい)」という生命エネルギーが蓄えられています。若いうちはこのエネルギーが十分なので元気ですが、年齢とともに少しずつ減っていきます。(悲しいことに、、、)男性の更年期は、このエネルギーが急激に減ってしまい、体のバランスが崩れた状態と考えるのです。

元気が出ないのは「腎」が疲れているサイン

男性更年期に現れるさまざまな不調は、東洋医学では「腎虚(じんきょ)」、つまり腎のエネルギーが不足した状態として捉えます。

  • なんだかだるい、やる気が出ない:疲れやすさや集中力の低下
  • 腰や足が重い、力が入らない:腰痛や膝の痛み
  • イライラしたり、不安になったり:精神的な落ち込みや不眠
  • なんだかスッキリしない:頻尿や耳鳴り

これらは「腎」が疲れて、エネルギーが足りなくなっているサインです。


鍼灸師が見る「腎」の整え方

では、どうすればこの「腎」のエネルギーを補えるのでしょうか?

鍼灸の施術では、「腎」の不調は脚・足の内側、そして腰まわりに硬さや弾力のなさとして現れることが多いです。特に、ウエストから骨盤、お尻にかけてがカチカチになっていると、足先まで冷たくなりがちです。

でも、安心してください。施術でこれらの部分の緊張をほぐしていくと、身体が柔らかく温かくなってくるのを実感できます。そうすると、冷えがちな足先までポカポカしてきて、体全体が元気になっていくのを感じられるでしょう。

ご自宅では、黒い食べ物(黒ゴマ、黒豆、昆布など)を積極的に摂ったり、無理のない範囲で体を動かしたりすることも、大切なセルフケアになります。

男性更年期は、誰もが向き合う可能性のある身体の変化です。鍼灸という東洋医学の知恵を借りて、自分の身体の声に耳を傾け、心も身体も健やかに過ごしましょう!