前回のコラムで慢性的な肩こりが、胃腸の不調からくるケースについて書きました。
肩こりあれこれ~胃腸からくるケース~ | 楽居堂(らっきょどう)
肩こりが起こる要因は多々ありますので、今回は骨盤の歪みから起こっているケースについてお話します。
長時間のパソコン作業、本当にお疲れ様です。
厚生労働省も座りっぱなしの健康リスクについてホームページ上に記載していますね。
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-03-005
長時間のデスクワークによる活動量の低下や血行不良について、そのリスクが問題にされていますが、私が鍼灸師として日々感じているのは骨盤の歪みです。
◇あなたの座り方、左右均等ですか?◇
少し意識してみてください。今、椅子に座っているあなたの体重は、お尻の左右に均等にかかっているでしょうか?
- いつも同じ側の脚を上にして組んでいる
- 片方の肘をついて、体を傾けている
- お尻を少しずらして、片側に体重を乗せている
多くの方が、無意識のうちにこうしたクセを持っています。毎日何時間も、この左右不均等な状態で座り続けていたら、どうなるでしょう?
そうです。体の土台である骨盤が、少しずつ歪んでしまうのです。
◇骨盤の歪みが肩こりに◇
では、なぜ骨盤が歪むと「肩こり」になるのでしょうか。体は非常によくできていて、常にバランスを保とうとします。
- まず、長時間の不均等な座り方で骨盤が傾きます。
- 骨盤という土台が傾くと、その上に乗っている背骨もバランスを取るために歪みます。
- 背骨が歪むと、私たちは無意識に目線を水平に保とうとします。その結果、左右の肩の高さがずれ、首を微妙に傾けて頭を支えることになります。
この「傾いた首で重い頭を支える」という状態が、首や肩周りの筋肉に緊張をもたらします。片方の筋肉はずっと引っ張られ、もう片方は縮こまったまま。この絶え間ない負担が、肩こりを生み出します。
◇肩こりなのにお尻に鍼?◇
私が鍼灸治療を行う中で、クライアントさんからよく驚かれることがあります。
それは、つらい肩こりの改善のために、お尻や腰に鍼を打つことです。
「先生、凝っているのは肩なんですけど…」
そうおっしゃるのも無理はありません。しかし、施術後には多くの方が「肩が軽くなった!」「首が回りやすい!」と、さらに驚かれます。
もうお分かりですね。肩だけを揉みほぐしても、それは一時的な対症療法に過ぎません。大元にある原因、つまり骨盤の歪みにアプローチしなければ、施術効果は長持ちしないでしょう。お尻や腰にある、骨盤を支える筋肉の緊張を鍼で和らげることで、骨盤が正しい位置に戻りやすくなります。土台が安定すれば、背骨や首、肩にかかっていた無理な負担が自然と解消され、結果として肩こりが楽になっていくのです。
◇肩こり、ぜひご相談ください◇
もしあなたが、長年のつらい肩こりにお悩みで、どこに行っても改善しなかったという経験をお持ちなら、ぜひ一度、視点を変えて「骨盤」からご自身の体を見直してみませんか?
当院では、一人ひとりの体の状態を丁寧に診させていただき、痛みの根本原因にアプローチする鍼灸治療を心がけています。なぜあなたの肩こりが起きているのか、その要因は人それぞれです。気になる症状を聞かせてください。
一緒に根本からの改善を目指しましょう。